True Colors FASHION
True Colors FASHION
身体の多様性を未来に放つ
ダイバーシティ・
ファッションショー:アーカイブ
落合 陽一総合ディレクション
テクノロジーが身体を解放する
11組のランウェイ&インタビュー
あなたの身体には多様性が潜んでいる。テクノロジーとファッションがアップデートする身体の挑戦を見つめ、個々の身体に耳を澄まし、体を研ぎ澄ます。
メディアアーティストの落合 陽一を総合演出に迎えた「True Colors FASHION」は、モデル・テック企業・ファッションブランドがタッグを組んだ11組のチームがランウェイを歩き、インタビューでその制作プロセスを明らかにするダイバーシティ・ファッションショー。
モデルの身体を起点につくられたファッションから、義足、車椅子など、身体に寄りそうテクノロジーをファッションによって拡張し、誰しもがもつ身体の多様性に呼応するアダプティブな装いのあり方を考えます。
True Colors FASHION
身体の多様性を未来に放つ
ダイバーシティ・
ファッションショー:アーカイブ
2021年5月30日(日)
13:00~
- 場所
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バリアフリー
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日本語・英語字幕
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音声ガイド(日本語)
予告編
ディレクターからのメッセージ
自然化するテクノロジーによって多様化するファッション
Transformation of Wearables / 物化する装い
生物の多様な体表を眺めたとき、自然の生態ニッチが作る風景との調和の美しさに感じ入る。
毛皮を持たない我々が、様々な季節や機会に合わせ、装い、着替え、様々な変身を可能にしてきたように、我々は今後もその身体性にテクノロジーを用いて、そしてそれが自然化する過程で、多彩な変容や変態を遂げていくのだろう。
自然に見られるような生物が持つ多様性の美を、様々な身体性の美に見立てて、今回ファッションショーを構成することにした。
自然化するテクノロジーによって揺籃される身体の多様性とはなんなのか、参加者や聴衆の皆様とともに考えていきたいと思っています。
総合ディレクター 落合 陽一
プロジェクト
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Blade for All x 義足のキッズランナー
義足メーカーであるXiborg(サイボーグ)の遠藤 謙が手がけるプロジェクト「Blade for All(ブレードフォーオール)」は、子どもたちが義足でも楽しく公園や学校で走り回れる日常を目指して始まった。ピンク、イエロー、ブルー、グリーン、ブラックのカラフルな5色展開で、自分で装着・交換が可能なようなるべく指導も行なう。パラリンピアンになりたい子どもだけではなく、ジョギングをしたい子でも手にとれるよう、価格と成形方法を工夫して単価を下げた。日常の風景を支える「無印良品」で軽快にキッズランナーが走り抜ける。
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Mission ARM Japan x HATRA
腕がないことを「不在」と捉えないトレンチコート。片側にガンフラップ(もともとは銃を背負う機能)があるデザインをフレアの袖にみたて、自然なアシメントリーをかたちづくる。当事者との対話のなかで生まれた様々な生活課題を解決するための仕掛けが満載。紐を引くと袖をまくれる機能や、端がマグネットになったファスナー、書類を脇でホールドする機能、コードマネージャー、傘かけなど軍用服の特徴とギミックを活かしたアイデアが詰まっている。マジョリティでは無く当事者に寄り添い、個別にデザインしたりカスタムできる可能性をひろげる一点。
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乙武 洋匡 x OTOTAKE PROJECT x やまとx KORI-SHOW PROJECT
乙武 洋匡の身体(四肢欠損)から生まれたインクルーシブな呉服。「OTOTAKE PROJECT」の義足を付けて歩行するときも、車椅子のときも着られるというコンセプトから生まれた丈をチェンジして着られるキモノは、羽織丈から着物丈にアジャストでき、健常者にとっても呉服業界にとっても新鮮なインクルーシブ・デザインとなっている。身体と布のあいだのゆらぎを受け止められる和装が生んだシルエットの多様さに対応できる特徴に加え、アウトドア用の合成繊維で撥水や汚れにたいする強度や、帯ではなくベルトでアジャストできるインクルーシブ性も備え、持続可能なビジネスデザインへの意識にもぬかりがない。
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りゅうちぇる x 妊婦体験ベルト x MIKAGE SHIN
妊婦でもそうでない女性も、さらに男性でも着ることができるワンピース。モードな雰囲気とユーザビリティを併せ持ち、エレガンスとマスキュリンが同居するパフスリーブのフォルムが魅力。ジェンダーレスなデザインを提案する「MIKAGE SHIN」が、りゅうちぇるのファミリーがもつイメージから、チューリップ(花言葉:正直な愛・博愛)とアイリス(花言葉:希望)のオリジナルプリントでデザインした。生き方やファッションに対する姿勢で、男性像や父親像をアップデートしてきたりゅうちぇる。妊娠体験ベルトとこのワンピースを着た彼が、新時代の人間像を体現する。
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Pippi x Ontenna x ANREALAGE
環境によって変化が現れる服をテーマに、テクノロジーを駆使し、これまでも新しい取り組みを続けてきた日本を代表するファッションブランド「ANREALAGE」。同ブランドが音を体で感じるアクセサリー型の装置「Ontenna」とコラボレーション。ヘッドピース、イヤリング、ネックレスといったアイテムが、光を通す細い柔軟な繊維(光ファイバー)を用いた糸で作ったニット組織とレース組織から成形されている。音に反応して明滅するOntennaをアクセサリーとして拡張することで、聴覚情報を視覚情報に「翻訳」し、情報を携えた新しいファッションを切り開く。
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濱ノ上 文哉 x OTON GLASS x beta post
読み上げ機能のあるメガネ「OTON GLASS」とのコラボレーションのもと、視覚障害のある人にとっての世界の感じ方にインスピレーションを得て、「beta post」がデザインした二重に像が重なり合うプリントデザインのリバーシブルコート。裏側には世界地図が2レイヤーの生地でプリントされ、それぞれが重なることで、初めて世界が浮かび上がる。これを躍動的に着こなすのが、視覚障害者でフリークライマーの濱ノ上 文哉。当事者の存在をデザインプロセスに組み込むことで、人と社会の間にある障害は他者への想像力をもって乗り越えられることを、全身を通して白杖の挑戦者が我々に伝える。
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GenGen x Live Jacket x KANSAI YAMAMOTO
KANSAI YAMAMOTOによる、音楽を振動で体感し踊る軌跡を視覚的に増幅させるジャケット。多様性の街・渋谷の風景写真をコラージュしてつくられたテキスタイルに、フリンジやチェーンの装飾を組み合わせることで、振動や響きが増幅する。さらに自然と無機物のテクスチュアが合体した現代的な美しさをケンモチヒデフミがサウンドにすることで、自然音とサイケデリックな人工音があわさったテクスチュアが全身に鳴り響く。難聴ダンサーのGenGenが着こなしたファッションが人間のプリミティブな心に火をつけ、内なる欲求のヴァイブスが体から迸り、解放される。
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武藤 将胤(WITH ALS)x ALS SAVE VOICE PROJECT x 01
ALSの難病を抱えながらも挑戦し続ける身体をサポートするファッションブランド「01 BORDERLESS WEAR」。プロデュースするのは、東芝のkoestationの技術と、オリィ研究所が開発した視線入力技術を組み合わせた「ALS SAVE VOICE PROJECT」を使い、声を失ったあとも自身の声でコミュニケーションを続ける、武藤 将胤。本プロジェクトでは、かっこよさを追求しつつも、工夫をこらすことで介護者が着せやすい洋服づくりが意識されている。今回は新作として、東信によるプリントデザインの新作のリバーシブルジャジャケットを発表する。
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我妻 マリ x ヴィンテージファッション x WHILL
17歳からモデルとしてのキャリアをスタートさせ、70歳を超えて現役モデルの我妻 マリと電動車椅子WHILLのコラボレーション。ウォーキングのストロークを滑るような車椅子モーションに変えたエレガントなランウェイでは、近距離モビリティを目指すWHILLと、モードの代名詞でもあるドレスとスーツが一体となった、ストレッチの効いたウェアラブルなピースが融合することで、車椅子は障害者のものであるという常識と街の風景を変えていく。自転車に乗るような感覚でカジュアルに楽しめるファッションとしての車椅子という可能性がひらかれる。
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TOMMY HILFIGER ADAPTIVE x GIMICO・あべ けん太・栗原 慎子・益ノ進
アダプティブファッションの先駆的存在として2016年にスタートした「TOMMY HILFIGER ADAPTIVE」を、義足モデル、ダウン症Youtuber、難治性てんかんの子供、義手の社会人が着こなす。ボタンをマグネット仕様にしたり、パンツの開閉部をベルクロ仕様にしたり、マグネット式ジッパーを採用することで、誰でも着やすい服を目指す同プロジェクトは、米国のデザインチームが障害当事者とコミュニケーションを行ない、日本でのユーザーからのフィードバックも伝えることで、常にブラッシュアップを続けている。高齢者、障害者をふくめると世界中の人口の約15%が利用するアダプティブ機能が、決してニッチではないことを教えてくれるだろう。
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ここね x kotohayokozawa
身の回りにあるものを組み合わせて作る「kotohayokozawa」のものづくりと、障害のあるここねさんの母による車椅子の装飾が組み合わさり生まれた家族のブリコラージュ。身体に縫い目があたらないポリエステルにプリーツ加工を施すことで、装着した人の体にほどよく寄りそい、座ったままでも立ってもフィットして着られるデザインが実現。ランウェイを歩くのは、ここねとその車椅子を押す姉のねね。ファッションブランドと家族の思いが呼応することで、感覚や即興性を重視することで生まれた、私的なアダプティブファッションの可能性がひらかれる。
落合 陽一/Yoichi Ochiai
メディアアーティスト
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クレジット ©︎蜷川 実花
1987年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター センター長、准教授・JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。「デジタルネイチャー(PLANETS)」、「2030年の世界地図帳(SBクリエイティブ)」など著書多数。「物化する計算機自然と対峙し,質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。オンラインサロン「落合陽一塾」主宰。
Timetable
リアルでも楽しもう
今回のショーで使用されるアイテムの一部が、展示・販売されます。オンラインショップでの販売もありますので、どうぞお楽しみに!
春日井製菓と制作した「True Colorsグミ」の配布もおこないます。
「TOKiON the STORE」
期間:5月30日(日)~6月13日(日)
場所:RAYARD MIYASHITA PARK North2F
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目20−10
*新型コロナウィルスの感染拡大状況等により、期間や内容が変更になる可能性があります。
詳細は随時True Colors Festival公式サイトにてお知らせします。
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落合 陽一 Live Jacket x KANSAI YAMAMOTO x ケンモチヒデフミ
音を身体で感じることができる「Live Jacket」をKANSAI YAMAMOTO がリデザイン。当イベントのためにケンモチヒデフミが作り下ろしたサウンドが体感できます。ご試着も可能です。
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TOMMY HILFIGER ADAPTIVE
障害のある大人と子どものためにトミー ヒルフィガーが脱ぎ着をしやすくする機能を加え、誰でもファッションを楽しめるようにデザインされたコレクションです。ファスナーなどのトップスの開け閉めを簡単にできる機能の他、車椅子利用者の悩みや困りごとを考慮した機能、義手や義足などの装具に対応した機能などをそなえ、かつ目立たないようにデザインされています。実店舗でなかなか手に取る機会がないラインナップです。
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01 BORDERLESS WEAR
ALSと闘病し挑戦を続ける、クリエイター武藤 将胤がプロデュースするファッションブランド。全ての人が、自分らしく挑戦出来るBORDERLESSな社会を目指して、「障がいの垣根を越えて、すべての人が、快適にカッコよく着られる服」BORDERLESS WEARを提案しています。今回は特別に『EVERYONE, CHALLENGER. (feat. androp) by EYEVDJ MASA』の世界観を表現したフラワーアーティスト東信との新デザインを発売します。※収益の一部がALSのための活動費として寄付されます。
「ハウス@ミキリハッシン」
期間:2021年7月8日(木)~7月13日(火)
場所:東京都渋谷区神宮前5-42-1
展示ブランド:Hatra、Kotohayokozawa、Betapost、ShinMikage、Anrealage
展示企画:文化服装学院 ファッション流通高度専門士科 CULTURAL LAB.
*新型コロナウィルスの感染拡大状況等により、期間や内容が変更になる可能性があります。
詳細は随時True Colors Festival公式サイトにてお知らせします。
今回発表した5ブランド(ANREALAGE、beta post、kotohayokozawa、MIKAGE SHIN、HATRA)の製品を店頭で展示。
文化服装学院 ファッション流通高度専門士科の学生有志「CULTURAL LAB.」の視点で、イベントで発表されたプロダクトを各々の多様な日常にどのように落とし込んでいけるのか自由に議論し、次のステップを模索します。
展示期間中は、アポイント制にてどなたでもご来場いただけます。
予約方法などの詳細はこちらからご確認ください。
クレジット
総合ディレクター | 落合 陽一 |
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出演・参加 | 武藤 将胤(WITH ALS) エーエルエス・セイヴ・ヴォイス・プロジェクト 01ボーダレスウェア 吉藤オリィ(株式会社オリィ研究所) ー GIMICO あべ けん太 栗原 慎子 益ノ進 トミーヒルフィガー アダプティブ 村上 要(WWD JAPAN) ー 乙武 洋匡 オトタケプロジェクト 矢嶋 孝行(株式会社やまと) ー 我妻 マリ 鳥山 将洋(WHILL株式会社) ー 友岡 海乃 杉本 大地 遠藤 謙(サイボーグ) ー Pippi 本多 達也(オンテナ) 森永 邦彦(アンリアレイジ) ー 濵ノ上 文哉 島影 圭佑(オトングラス) ベータポスト ー GenGen ライブジャケット 高谷 健太(カンサイヤマモト) ー 倉澤 奈津子(Mission ARM Japan) 石田 あかり(Mission ARM Japan) 長見 佳祐(ハトラ) ー 五十嵐 ここね 五十嵐 ねね 五十嵐 純子 横澤 琴葉(コトハヨコザワ) ー りゅうちぇる 進 美影(ミカゲ シン) |
音楽 | ケンモチヒデフミ |
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映像ディレクション | bird and insect |
ファッションディレクター | 山口 壮大 |
ヘアー | 光崎 邦生(W) |
メイク | 光秋鹿 裕子(W) |
ヘアメイク(りゅうちぇる) | 新井 淑子 |
ファッション実況 | 徳永 啓太 |
イメージディレクター | shuntaro |
ムービーディレクター / エディター(ファッションショー ) | 主馬 |
ムービーディレクター(インタビュー) | 桜屋敷 知直 |
シネマトグラファー(ファッションショー ) | 阿部 大輔:林 裕介・本田 龍介・趙 僖然・闞 迪 |
シネマトグラファー(インタビュー) | 林 裕介・闞 迪・長岡 泰地 |
エディター(インタビュー) | 久保山 郷 |
美術 | 加賀谷 静 (TASKO inc.) |
美術応援 | 山内 沙也果・新山 さゆり・大村 美桜 門崎 未散・亀井 友暁 |
手話翻訳 | 那須 映里 |
手話監修 | 那須 英彰 |
手話コーディネート | TA-net |
日本語字幕 / 英語字幕 / 音声ガイド / 手話 | Palabra株式会社 |
スチール 撮影・広報動画制作 | もろんのん・佐藤 元紀 |
スチール撮影 | 冨田 了平・髙木 美佑 |
制作 | 田井地 直己・加藤 夏帆(TASKO inc.) |
制作アシスタント | 吉良 穂乃香(TASKO inc.)・小野寺 里穂・加藤 晴美・京谷 眞鈴 |
グラフィックデザイン | 株式会社SEESAW |
WEB・広報画像制作 | 織田 洋介(TASKO inc.) |
副音声収録 | 山本 尚弘 |
配信監督 | イトウユウヤ |
モデルキャスティング | CULTURAL LAB. |
アクセシビリティコーディネート | THEATRE for ALL |
プロデューサー | 金森 香(一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL) |
主催 | 日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL |
助成 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 |
協力 | コワードローブ、無印良品、株式会社エモハウス |
協賛 |