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授業に活用されるTrue Colors Film Festival

True Colors Festival シンガポールPRチーム

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2022年3月11日

ロープウエー、気球、それに電車。これらとアクセシビリティやエンパワメントの共通点はなんでしょうか?唯一無二な映画監督が映像について学ぶ学生に届ける、ストーリーテリングのレッスンとは?子供らしいイマジネーションの世界や、裏のない意図、それにクリエイティブな選択をすることとは?一つの芸術大学と12の保育園がTrue Colors Film Festivalのインタラクティブ・ワークショップとディスカッションに参加し、そうした事柄を浮かび上がらせてくれました。


True Colors Film Festival 2021は、前回の3倍となる22,000人が鑑賞し、映画ライターの水上賢治さんなど多くの批評家から好評をいただくなど、大成功を収めることができました。

加えて、今回初めてシンガポール国内の学校を対象にしたアウトリーチプログラムを実施。460名の保育園児たちがアニメ映画 『The Present』の配信を見て、その前後にイベントやディスカッションの時間を設けました。またラサール芸術大学で放送・映像を学ぶ76名学生には、落合陽一さん (『The Future is Now!』総合ディレクター)、河合宏樹さん(『対話する衣服』監督)、ダグ・ローランドさん (『Feeling Through』監督)の3名によるトーク映像がストリーミングされました。

“保育園児たちと観る『The Present』

無数の受賞歴を誇るこの短編アニメ映画は、とある男の子のお話。ある日、お母さんが3本足の子犬を家族として迎え入れます。映画の終わりには、主人公もまた片足がないことが明かされます。

映画を見る前、保育園児たちは2つの対象をよく見比べて、見た目に違う点を説明するように指示されていました。同じ価値を持つものでも見た目が違う時もある、ということを園児たちに知ってもらうためでした。同様に人もまた、見た目が違っていたとしても、障害がある人が障害がない人よりも価値が低い、ということはないのです。

ワークショップでは「眼から鱗」な反応がいくつもありました。
マインドチャンプス・ビシャン園の園児は「男の子もワンちゃんも、長い足と短い足がある!同じ足だけど違う足だね。」と気が付きました。

鑑賞後には、障害のある人たちとの接し方についてディスカッションが始まりました。
リトルスパークス園では、「自分と違う子には優しくしなくちゃならない」と語る園児の姿もありました。

ピンクのマスクと、赤い襟のついた黄色いポロシャツを着た園児が鉛筆を持って考え込んでいる様子

障害のある男の子が坂の上に行く方法を考える園児の姿

また、男の子と子犬が坂の上にある遊び場に行く方法を考え、それを絵にするワークショップも実施しました。提案の中には、エレベーターやエスカレーターを作ったり、気球に乗ったり、電車を建設したり、はたまた魔法のカーペットまで飛び出しました。実現できるかはさておいて、園児たちにアクセシビリティというコンセプトについて伝えることができました。

ラサール大学での3人の監督によるトーク

一方、ラサール芸術大学傘下のパトナム映像・アニメーション学校では、学生たちと3名の監督との対話の場が設けられました。3名のうち2名はTrue Colors Festivalのオリジナルドキュメンタリーを手がけています。落合さんは『The Future is Now!』の総合ディレクションを、河合さんは『対話する衣服』(2021年5月、ニューヨーク・フィルム・アワードにてベストドキュメンタリー作品賞を受賞)の監督を務めました。
ローランドさんは世界で初めて盲ろうの役者を起用した『Feeling Through』を監督し、2021年度のアカデミー賞にノミネートされています。

監督はそれぞれの制作におけるプロセス、目的意識、そして挑んだ問題点など、生徒からの質問に答えました。

河合監督のzoom画面のキャプチャー画像。髪は横に分け、髭を生やし、黒いフード付きパーカーを着用

河合監督によるオンラインレクチャーの様子。

ある学生は、「監督との対話によって興味深いテーマがいくつも表象化されました。それはまるでいくつかの池の波紋が交差するようで、お互いが思うよりも互いに関わりがあることに気付きました。どの波紋も、孤立して存在しているのではありません」と、落合さんレクチャーへの感想を述べました。

「『Feeling Through』を観て、ダグ・ローランド監督ご自身の、制作を通じたアーティストとしての成長をお聞きして、その力強さに感動しました。近年いっそうにデジタル化が進み、分断も進んでいるのでは?と感じられる社会において、人間同士の単純なやり取りやコミュニケーションの必要性を改めて認識しました」と語る学生もいました。

Zoomミーティングの画面上で画面をシェアする二人の男性

プログラムリーダー(左)とダグ・ローランド監督(右)のZoom画面。

また本ディスカッションでは、広く語られることがなく、理解されることも少ない体験を可視化するツールとしての映画、およびストーリーテリングの重要さも再確認できました。

ローランド監督は言います。「“物語を紡ぎたくなる自分”というのは、自分が持っている“共感能力”に関連があると思います。それは“感情移入をする自分”という私の一部です。周囲の人間とより深く理解し合いつながり合いたい、他者を通じて自らをより深く理解したいという欲求が、自分の中にあるのだと思います」

True Colors Film Festivalはご参加いただいた下記の学校へ感謝を申し上げます:MindChamps, Little Sparks, Creative Thinkers, E-Bridge, School4Kidz,Shaws Preschool, LASALLE College of the Arts.

TRUE COLORS FILM FESTIVAL 2021

True Colors Festival

歌や音楽、ダンスなど、私たちの身近にあるパフォーミングアーツ。

障害や性、世代、言語、国籍など、個性豊かなアーティストがまぜこぜになると何が起こるのか。

そのどきどきをアーティストも観客もいっしょになって楽しむのが、True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル)です。

居心地の良い社会にむけて、まずは楽しむことから始めませんか。

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