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Meet The Family(TCFファミリーの素顔):山口奈々子

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2021年3月24日

True Colors Festivalをともに作る仲間を紹介する「Meet The Family(TCFファミリーの素顔)」シリーズ。今回は1月からスタートしたSNS企画「#道ばたのダイバーシティ」より、多様な人々の日常をシュールなイラストとユーモアのあるアニメーションで伝える山口奈々子さんに、制作にまつわるエピソードを伺いました。

Q: 1月から「#道ばたのダイバーシティ」が始まりましたね。記事が投稿されるまでの流れを教えてください。

現在は障害を取り巻く日々の困難や体験について軟骨無形成症のあるダンサーの西村大樹さんにインタビューし、エピソードを漫画(アニメーション)にして紹介しています。ライターとして、なるべく忠実でリアルな日常や、その障害と社会との関係を引き出し、編集者として、それをエピソードにまとめること。そして、イラストレーターとして親しみやすく表現し、動画へ落とし込むこと。これまで培ってきた能力や、自分の経歴をなるべく活かして関わっていければと考えています。

Q: キャラクターの心の動きを点で描き分けたり、無表情なのにユーモアがあったりする山口さんの現在の作風はどんな風にして生まれたのでしょうか?

フレッド・サンドバックの作品が好きなので、彼のように要素を限りなくミニマルに抽出しつつ、広がりを持つような制作をしたいと思っています。とはいえそもそも私の頭の中がごちゃごちゃなので、なかなか難しいです。あと、自分の周りのイラストレーターやクリエイター、ミュージシャンの影響もすごくあって、彼らの作品に常に嫉妬したり羨ましさを感じることで、駆り立てられる部分が大きいです。奮い立たされる部分もすごくあります。
イラストレーターとしては、和田誠さんみたいになりたいと思っていて。人も動物も風景も現実もフィクションもフラットな感覚で描いていて、永遠の憧れです。

Q: シリーズに関わる中で印象に残っていることはありますか?

軟骨無形成症の取材で西村さんにお話を聞いていて、これまで自分が「知ろうとしていなかったこと」を思い知りました。少し想像すればわかるのに「関係がない」「不便を感じていない」という理由で目を向けていなかったことがこんなにあったのかと。この企画に携われた私は幸運だったなと思うけれど、社会全体がもっと想像力を持って、自分から知ろうとしていく姿勢を持てたらいいんですけどね。そのきっかけにこの企画がなればいいなと思います。

Q: True Colors Festivalは「One World One Family(世界は一つの家族)」として、多様性とインクルージョンを称える舞台芸術祭です。山口さんの考える「ワン・ワールド・ワン・ファミリー」について教えてください。

「どんな場所にいても、私たちは私たちであり、いつでも手を取り合える」ってことかなと。世界を一つと捉えるというより、様々な環境や土地があれど、その人がその人らしくあることは変えられない。家族という言葉は連帯感や強制力が強くなることがあるので、そうではなく、理解を深め、お互いの違いや距離を認めながらも、どんな時も互いに助け合うという姿勢でいられればいいなと思います。

低身長なワタシの暮らしvol1

山口 奈々子(やまぐち ななこ):1994年、東京生まれ。両親の仕事で6年間を上海で過ごす。武蔵野美術大学の芸術文化学科でミュゼオロジーや美術教育について学び、卒業後は雑誌社に編集として勤務。「編集として取りまとめるだけではなく、もっと自分の手を動かす仕事がしたい」と、2019年に独立し、現在はフリーランスのイラストレーター、ライター、アートディレクターとして活動している。
https://www.yamaguchinanako.com/

True Colors Festival公式TikTok
僕のことも、僕の障害のことも、伝えないと伝わらない。だから発信し続ける。:西村大樹

True Colors Festival

歌や音楽、ダンスなど、私たちの身近にあるパフォーミングアーツ。

障害や性、世代、言語、国籍など、個性豊かなアーティストがまぜこぜになると何が起こるのか。

そのどきどきをアーティストも観客もいっしょになって楽しむのが、True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル)です。

居心地の良い社会にむけて、まずは楽しむことから始めませんか。

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