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【Meet The Family(TCFファミリーの素顔)】True Colors JAZZ、ミュージックビデオ『You Gotta Be』に出演いただいた紀平凱成さんに、イベントの感想やご自身の活動について伺いました。
True Colors JAZZ – 異才 meets セカイDirected by Takashi Matsunaga
ミュージックビデオ「You Gotta Be」
Q: 音楽を始めたきっかけはなんですか?
生まれた時から、家にエレクトーン(電子オルガン)やギター、ドラムなどの楽器があったので、遊びの中で自然と始めていました。両親が音楽好きで、ロックやポップスを中心にジャズやクラシック、それから民族音楽のCDもありました。家にいるときはいつも色々な音楽が流れていて自然と興味を持ちました。
幼稚園に通っている頃から、鍵盤楽器やドラムが好きでいつも触っていました。家にあった楽譜やコード譜も好きで、鍵盤楽器で音を確認したり写し書きをしたりしていました。小学生1年生の時に「ピアノを弾く人になりたい」と言ったそうです。
感覚過敏があるため、聞けない音、そして弾けない音もありました。また、自分流で楽しみながら音楽と接してきたので、基礎的な練習をすることがあまり好きではありませんでした。人前で演奏したり作曲活動をする中で、音楽家として大切なことを学び一つ一つ課題を克服しながら進んでいます。
そうして、作曲した曲が一枚のCDになった時はとても嬉しかったです。一つ一つのコンサートは大切な忘れられない記憶ですし宝物です。17歳の時のデビューコンサート。ホールで初めて弾いたコンサート、野外のフェスに参加したとき、ジャズクラブでみんなとセッションしたとき、コロナ禍で無観客配信となったコンサート。テレビやラジオ番組での生演奏、全てが特別な時間かもしれません。
True Colors JAZZ公演風景。画面左から、松永貴志、紀平凱成、ビオリカ・ロゾブ、芹田珠奈、小澤綾子、ナカタニタツヤ(撮影:冨田了平)
Q: True Colors JAZZとミュージックビデオ「You Gotta Be」に参加していただきました。それぞれ感想を教えてください。
True Colors JAZZでは初めてドラムやベース、トランペット、ボーカルとセッションをしたり、松永さんと即興の連弾をしたりできて、とても楽しかったです。それまで一人で演奏していましたが、初めて音を合わせるという経験をして、音楽の楽しみがぐっと増えた感じです。
「You Gotta Be」を初めて聞いた時、素敵な曲でワクワクしました。みんなでセッションできると期待したのですが、撮影の時は自宅で一人ぼっちだったので、ちょっぴり悲しかったです。でも完成したMVを見たら、とてもカッコよく仕上がっていて素敵でした。世界中の人と音楽で繋がった感じがしました。コロナで会いたい人とも会えず演奏する機会も少ないので、この企画に参加できて嬉しかったですし、音楽は楽しいということを改めて実感しました。ありがとうございました。
Q: コロナ禍は、日常生活、とくに演奏生活にどのような影響を及ぼしましたか?
決まっていたコンサートが次々と中止や延期になり、悲しかったです。家ではひたすら作曲をしました。去年だけで未完成のも含めて20曲は作りました。悲しみや怒り、でも頑張ろうという気持ち、たくさんの気持ちがあふれ出たので、それを曲にして残しました。切ないバラードもありますが、希望に満ちた元気な曲もあります。色々な経験が僕の音楽を豊かにしてくれると思っています。
Q: True Colors Festivalは多様性とインクルージョンを称える芸術祭として、特に海外に向けて「One World One Family(世界は一つの家族)」というキーワードでPRを行なっています。紀平さんの考える「ワン・ワールド・ワン・ファミリー」について教えてください。
みんなが笑顔でいられるような世界が好きです。
紀平凱成
ピアニスト
2001年生まれ。幼児期、家にあったCDや楽譜、エレクトーンで遊ぶ中、自然と音楽理論を身につけ作曲を始める。16歳で英国トリニティ・カレッジの上級認定試験に最高得点で合格し奨励賞受賞、17歳、飛び級で同大学のディプロマ取得。曲作りは鍵盤に触れることなく白紙に五線を引いて一気に楽譜を書き上げる独特のスタイル。繊細で瑞々しい感性を生かした美しいメロディと斬新なハーモニーが持ち味。縦横無尽な即興演奏も魅力の一つ。ステージではオリジナル曲に加え、クラシックから独自のアレンジが光るポップス、ジャズなどジャンルにとらわれない幅広いレパートリーで独創的な世界を生み出す。その異才ぶりは、『羽鳥慎一モーニングショー』『ザ! 世界仰天ニュース』『スッキリ』『首都圏情報ネタドリ!』『偉人にチャレンジ〜伝説の真相に迫る〜』など数々のTV番組でも取りあげられ話題を呼んでいる。発達障害、感覚過敏を抱えながら、沢山の感動を届けられる音楽家になりたいとチャレンジを続けている。