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True Colors Festivalをともに作る仲間を紹介する「Meet The Family(TCFファミリーの素顔)」シリーズ。シニアの性を掘り下げるドキュメンタリー演劇「私がこれまでに体験したセックスのすべて」の演出・脚本を担当したダレン・オドネルさんに聞きました。
True Colors DIALOGUE:2021年4月8日(木)〜11日(日)
作品について:「私がこれまでに体験したセックスのすべて」は5名の60代以上の日本人シニアによるセックスについてのストーリーです。登場する人たちは様々なバックグラウンドを持ち、性的指向も障害の有無も異なります。セックスとシニアという単語が釣り合わないと思っていましたか?この作品はそんな考えを変えてくれるでしょう。
Q: シニアの性について取り上げようと思ったきっかけは何でしたか?
加齢と体力の関係性に関心があり、歳を重ねることはどんな変化をもたらすのか、興味を持っていました。それは高齢者向けホームで性感染症問題があると知ったからです。しかし実際にこの作品に取りかかった時、私はセックスとシニアの関係に興味を持っているのではなく、セックスや性にまつわる事柄が生涯に渡ってどう変化していくのか、それを人生の後半からの観点で描写したいのだと気づきました。
Q: このイベントを企画するにあたって、一番思い出に残っていることは何ですか?
新型コロナウィルスによるパンデミックは一生忘れられないでしょうね。私たちはかれこれ一年以上、慣れないZOOM上のやり取りで、このプロジェクトの成功へ向かって必死に頑張ってきました。実現のために試行錯誤してくれたTrue Colors Festivalの皆さんに感謝しています!
Q: 続きを答えて下さい:セックスとは・・・
複雑です。
写真家・大森克己によるイメージ写真
Q: この作品を見るべき理由は?
美しく、おかしくて、心動かされる作品だからです。あなた自身の人生について、そしてあなたが歳を重ねる間に愛した全ての人について、じっくり考えるきっかけを与えてくれます。
Q: ダレンさんの次のプロジェクトについて、教えてください。
現在はフィリピン人の移民労働力についての作品に取り組んでいます。彼らはアンゴラでは家事労働者として、日本では土木作業員として働いています。リビアの油田に勤め、香港では約60万人がベビーシッターとして働いています。中国のへき地のステージで歌う方もいますし、中東ではホテルに従事しています。全世界の船乗りの4分の1はフィリピン人で、そのうち70%は日本の漁船に乗っています。医療従事者としても需要が非常に高く、2020年3月にドイツが新型コロナウィルスに対応すべく75名の追加労働者を依頼した際には拒否したほどです。
Q: True Colors Festivalは「One World One Family(世界は一つの家族)」をメッセージとして掲げています。ダレンさんにとってこれはどういった意味を持ちますか?
私たちは皆、この状況に共にいます。全人類も、全ての動物も、ウイルスも、酸素分子も、太陽も、地球も、あなたの指先の電子だって。
万物は同じものから作られていて、それらを分かつものはただの幻想なのです。