True Colors Festival in アゼルバイジャン・レポート!
True Colors Festival in アゼルバイジャン・レポート!
日本とアゼルバイジャンの国交樹立30周年を迎える2022年。フレンドシップ・イヤーを記念するイベントとして、アゼルバイジャンの首都・バクーで「True Colors Festival in アゼルバイジャン」を開催しました。アーティストたちの旅やイベントの様子をレポートします。
リアルタイムでの記録はTrue Colors Festival 公式Twitterやレポーター中嶋涼子さんのTwitterからもご覧いただけます。
2022年6月24日(金)、25日(土) 21:00開演
会場:バクー海岸公演
主催:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
共催:アゼルバイジャン アビリンピック連盟
助成:日本財団
協力:在アゼルバイジャン日本大使館
到着とリハーサル
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撮影:河瀬大作
アゼルバイジャンへ向かったのは6組のアーティスト/レポーターを中心に、介助者、スタッフも含めると総勢19名のチーム。羽田空港からトルコ イスタンブールを経由してバクーまで、約18時間の長旅でした。
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アゼルバイジャンはコーカサスと呼ばれる地域に位置し、イラン、アルメニア、ジョージア、ロシアと国境を接しています。
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撮影:河瀬大作
首都バクーはカスピ海に面した都市。一見、ヨーロッパのように近代的でありつつ、モスクやバザールなど、エキゾチックな雰囲気も漂う街並みです。
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バクーに到着した一行がまず向かったのは、稽古場となる「DOSTセンター」(DOST Center for Inclusive Development and Creativity)。ここは、障害のある人が文化芸術活動をするための施設になっています。
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センターでは音楽、ダンス、工芸、美術といったさまざまなプログラムが実施されています。
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そのためのアトリエや劇場、音楽スタジオ、レコーディングスタジオなど、充実した設備が整っています。
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もちろんすべてバリアフリーです。この日も、陶芸や織物、音楽の活動が行われていました。
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True Colors Festivalのチームは主にホールとダンススタジオをお借りしました。
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アゼルバイジャンと日本のアーティストが合流し、総合演出 ニジャット・カシモフさんのもと、リハーサルがすすみます。
会場でのリハーサルと本番
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撮影:河瀬大作
True Colors Festival in アゼルバイジャンの会場はカスピ海沿いにある「バクー海岸公園」。本番前日は強い日差しと暑さの中リハーサルを行いました。
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撮影:河瀬大作
日本から参加したミュージシャンは穴澤雄介さん、川崎昭仁さん、富田安紀子さんの3名。
ソロでの演奏のほか、アニメソングでのセッションも見どころです。 -
撮影:河瀬大作
東野寛子さん、MORIKO JAPAN(森仁志)+Ryoma Suzukiのダンサーたちは、日本と現地ダンサーたちとのコラボレーションも試みました。
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撮影:河瀬大作
本番当日、開演の21時はちょうど日没の時間。遅くまで明るいので、夏の夜遊びを楽しむバクーの人々がたくさん会場に集まりました!
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撮影:河瀬大作
家族連れやお子さんの姿も多く見られます。
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撮影:河瀬大作
車椅子エリアも満席。各回20-30名ほどの車椅子ユーザーが楽しまれていました。舞台上のMCパートにはアゼルバイジャン手話通訳も。
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撮影:河瀬大作
車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんも会場に到着しました。中嶋さんは、レポーターとしてイベントの様子を取材するだけでなく、バクー市内のさまざまな場所を訪れてSNSで発信しました。バリアフリータクシーを利用したり、ときには人力で段差を乗り越えながらめぐった中嶋さんならではのバクー案内はTwitterで!!
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撮影:河瀬大作
ステージにはアゼルバイジャンからも12組のミュージシャン、ダンサーたちが出演。
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現地で人気のポップソングや伝統舞踊のダンス、
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大道芸など、なんでもありの賑やかなステージが繰り広げられました。
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撮影:河瀬大作
中嶋さんがステージの様子を急遽生配信してくれました。
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撮影:河瀬大作
ミュージカル女優の東野寛子さん。今回、アゼルバイジャンの車椅子ダンサー ファティマ・アクベルリさんとのコラボレーションに挑戦。会って間もない中でのクリエーションと思えないほど、2人の信頼関係が感じられるダンス作品。
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MORIKO JAPAN(森仁志)+Ryoma Suzukiはブレイクダンスのユニットです。白杖を使って踊る独特のスタイルのMORIKOさんと、彼をサポートしつつ技を繰り出すRyomaさんのアクロバティックなパフォーマンスが会場を沸かせます。
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撮影:河瀬大作
バイオリンに袴、テンガロンハットが渋い穴澤雄介さん。日本の超定番曲「さくらさくら」をオリジナルアレンジした曲を披露。ルーパーやフットパーカッションも駆使し、多彩な音楽を奏でます。
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撮影:河瀬大作
鮮やかな着物を羽織って登場した富田安紀子さん。ダイナミックな和太鼓演奏と富田さんの華やかさが融合したステージ。
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撮影:河瀬大作
ギタリストの川崎昭仁さん。幼少時の高熱の影響で手足が麻痺するも、独自に編み出した奏法でパワフルなギターパフォーマンスを見せます。唯一無二の姿です。
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全出演者が舞台上に揃ってフィナーレを迎えました。舞台下ではアゼルバイジャンの伝統舞踊「ジャンギ」が加わり、さらに盛り上がります。
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撮影:河瀬大作
とても熱く反応を返してくれる観客の方々。終演後も次々と「素晴らしかった!」とアーティストに声をかけてくれたり、一緒にセルフィーを撮るフレンドリーさです。
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撮影:河瀬大作
アゼルバイジャンでは障害のある人が舞台に立つような催しはまだ多くないようですが、パフォーマンスを心から楽しんで、ひょいと壁を越えてきてくれるアゼルバイジャンの人々はとても素敵だなと感じました。
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撮影:河瀬大作
終了後、深夜0時近くにもかかわらず、アーティストもスタッフも観客もみんなで踊り出す空間が出現。東野さんと踊っているのは総合演出のニジャット・カシモフさん。音楽と踊りでみんなが自然と一つになる瞬間でした。
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熱気冷めやらぬ中、「True Colors Festival in アゼルバイジャン」は幕を閉じました。
最後は、ホスピタリティで滞在を支えてくれた通訳、ボランティア、そして現地スタッフのみなさんと。街中の石畳や段差など、日本ほどスムーズにいかないアクセシビリティ面を人力や工夫でカバーしてくれました。ダイバーシティ&インクルージョンの多様なあり方を体感した旅でした。