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音楽を見つけられるって、素敵

パーカッショニスト/ True Colors BEATS出演者

高良久美子

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2019年11月27日

私はいつもは複数の楽器を使って演奏するのですが、「True Colors BEATS」では2つの楽器だけで参加しました。シンプルに演奏することで音楽が発展する、というメカニズムの素晴らしさを実感できてとても楽しかったです。楽器の数を減らしたことで音色を変えられないという制限が生まれ、そのなかで出したいイメージを表現するにはどうしよう?と想像力が刺激されて勉強になりました。
そして、音楽のジャンルにとらわれなくていい、年齢や障害の有無などに構わず色んな人と音楽ができるこのハンドサインのシステムって、素晴らしい。サンティアゴは「ダンスしながら」ってよく言うのだけど、この場にいる人たちで一緒に同じエネルギーで沸き立ちたいという気持ちをもっているのかもしれません。

「True Colors BEATS」で異なる楽器の音が意外なハーモニーを紡ぐように、違うもの同士が刺激を受け合ってこすれた時にスパークする――そういう化学変化が起きた時に出るエネルギーが私は好きです。お互いの文化や伝統を尊重し合いながら、相手が誇りをもっているものを受け容れたり交換したりして。こういうところは似てるね、楽しいね、とそれぞれのアイデンティティを崩すことなくナチュラルに。安心して、堂々と自分をオープンにして、そして相手のことも受け容れるおおらかなコミュニケーションが、音楽以外の場所でも起きるといいですよね。

ほら、サンティアゴも本当におおらかで安心感のある人でしょう。彼は子どもの頃からインプロヴィゼーション(即興)を学んでいるとはいえ、それだけではない音楽の許容量がある。彼が「間違えてもそのままやって。それが音楽になるから」と言えるのは、彼がその音を聞いて次の音楽をつくる自信があるということ。音楽家としての底力を感じます。「何が起きても大丈夫。どうぞやって」と促せるんですよね。それに安心してみんながエネルギーをわぁって出せる環境をつくれるというのは、類稀なる才能でしょう。ミュージシャンとしてとても尊敬しています。

サンティアゴのパフォーマンスは観ているだけでも楽しめます。観に来た人も手拍子で参加できることを、サンティアゴは分かってやっている。お客さんも、楽器で音を出さなくても気づくと参加していますよ。手拍子でも、身体をゆらすだけでも、次はこうかな、あっちかな、と無意識に音楽に身を任せています。そうやって音楽がひらかれていることがいいですよね。みんなが自分のなかの音楽を見つけられるって、素敵なことです。

True Colors BEATS

True Colors Festival

歌や音楽、ダンスなど、私たちの身近にあるパフォーミングアーツ。

障害や性、世代、言語、国籍など、個性豊かなアーティストがまぜこぜになると何が起こるのか。

そのどきどきをアーティストも観客もいっしょになって楽しむのが、True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル)です。

居心地の良い社会にむけて、まずは楽しむことから始めませんか。

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