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知られざる手話の世界

By True Colors Festival シンガポールPRチーム

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2021年10月15日

9月23日は手話言語の国際デー(IDSL)です。手話は手を使ったサイン、ジェスチャー、顔の表情と身振りを駆使してこれまで約500年もの間、世界中で使用されてきました。多種多様な手話についてご紹介します。

「クールだね」と言いたい時、どう手話にしますか?シンガポールでは、胸の高さまで両手を上げ、全ての指を動かします。フィンランドでは、右手の人差し指と中指を左に向かって指し示します。日本では、右手をボールを持っているように上に掲げ、そこから左に投げるように手を下ろします。

True Colors Festivalは手話言語の国際デーに合わせ、5人のろうアーティストにインタビューを行いました。アミーズィ(Ameezy/シンガポール、ヒップホップダンサー)、サインマーク(Signmark/フィンランド、ラッパー)、マンディ・ハーヴェイ(Mandy Harvey/アメリカ、シンガーソングライター)、那須映里(日本、手話エンターテイナー)、そして、カルナ・サーカー(Karuna Sarkar/インド、インド古典舞踏家)。彼らはインタビューの中で、手話がいかに多様かを伝えてくれます。インタビュー動画はTrue Colors Festival IGTVシリーズ「True Colors Festival celebrates IDSL」にて配信。最初のエピソードは下記からご覧いただけます。

 

意外と知らない手話 10のこと

1. 現在、世界には300以上の異なる手話が存在します。一つの国にも、地域ごとに方言があるのは手話も同じ。その土地特有の手話の繊細な解釈の違いや使い方の違いが反映されています。

2. 歴史的に、ろう者コミュニティは常に軽んじられてきました。古代ローマ法の下では、生まれつきのろう者は「読み書きを習得することができないため、物事を理解する力を持っていない」として、遺言を残す権利を剥奪されていました。ルネサンス時代に入り、こうした偏見への批判が強まるようになります。

3. 手話の生みの親はスペインのベネディクト会の修道士とされています。彼の考えた手話は、ネイティブアメリカンの民族間でのやり取りや他国との貿易の際に使用されていたハンドサインと、ベネディクト会の修道士が日々戒律として守っていた「沈黙の掟」の期間の間、意思伝達のために使用していた身振りとを合わせたものとされています。

4. 聴覚障害者にとって、手話は話し言葉を理解する手段となりました。現代手話には、発音、単語の順序、文法それぞれに、話し言葉とは異なったルールがあります。また、地域特有のアクセントや方言といった言語の複雑さや豊さも、手話は表現することができます。

5. 手話文法は話し言葉の文法とは異なります。眉毛や目の位置、手の動き、それらの体に対する位置、以上全てが言語として構成されます。間違った文法は、話し言葉同様、誤解を生むこともあります。

6. 手話は5つの要素で構成されています。手の形・位置・動き・向き、そして、顔の表情、体の動き、頭の位置、発声あるいは話し言葉など、手の動作以外の表現です。どれか一つを変えるだけで、手話の意味も変わります。

7. アメリカ手話(ASL)では、「妻」や「娘」など、女性に関係する単語は顎付近で、男性に関係する単語はおでこ付近であらわされます。

8. 名前の綴りを一文字づつサインするのではなく、自らの名前に一つのサインをつけているろう者が多くいます。ニックネームと同じように、サインネームは個人それぞれが特有のものを持っています。

9. 小文字のd, 大文字のDの違いとは?小文字表記の「deaf /ろう」は「難聴・失聴」を意味し、身体障害の支援あるいは治療のため、医療補助や社会福祉を必要とする状態を差します。大文字表記の「Deaf / ろう」は症状としての難聴や失聴を指すのではなく、「Deaf文化への帰属意識」を意味します。大文字 Deaf は “deaf and dumb”(訳注:聾唖者を意味する古い言い回し。「口をきけない」を意味していた “dumb” は転じて「ノロマ」という意味になる)への対抗として生まれ、大文字のDは虐げられたコミュニティの存在を高らかに主張するシンボルとして選ばれました。文化的に、Deaf文化の人々は言語的マイノリティを自認しています。

10. 手話もまた、Zoom画面へ順応しました。例えば、通常であれば「体(body)」のサインはBを手で示し、それを肩から腰まで下ろしていましたが、今では胸まで下ろすことで理解されます。多くのサインがZoom画面に適応しましたが、残念ながら手話言語の空間はとても広く、画面上だけでは表せないサインも多く存在します。

以下のサイトを参考に制作しました: 
https://relaysd.com/news/6-facts-about-sign-language-you-didnt-know
https://www.nationalgeographic.com/history/history-magazine/article/creation-of-sign-language 
https://www.weston.ac.uk/news/five-interesting-facts-most-people-don%E2%80%99t-know-about-sign-language 
https://www.languagesunlimited.com/10-facts-sign-languages/ 
https://www.anthropology-news.org/articles/performance-sign-language-and-deaf-identity-in-japan/ 
https://www.scientificamerican.com/article/the-covid-zoom-boom-is-reshaping-sign-language1/ 

True Colors Festival

歌や音楽、ダンスなど、私たちの身近にあるパフォーミングアーツ。

障害や性、世代、言語、国籍など、個性豊かなアーティストがまぜこぜになると何が起こるのか。

そのどきどきをアーティストも観客もいっしょになって楽しむのが、True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル)です。

居心地の良い社会にむけて、まずは楽しむことから始めませんか。

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