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普段、私たち障害のある人は、バリアが“あって当たり前”と思いがちだと思うんです。でも、例えば駅のホームを移動する時に、縄梯子を使ってホームに行けと言われたら誰でも「え!?」ってなると思うんですよ。極端な例ですが、でも私たちはほとんどの場合エレベーターまで遠回りしてそのくらいタフに時間をかけて移動しています。それを当たり前、って思うのはちょっと違うよなぁ、と思います。
イルアビリティーズの彼らも障害のある人たちだけれど、「True Colors DANCE」でそんな普段の生活を凌駕するパフォーマンスを観て、本当に圧倒されました。だからといって普段の生活の不便さはそのままでいいという話ではないんですが(笑)、そう思うくらいの衝撃でした。それに、ワークショップ参加者ひとり一人への向き合い方がとても丁寧で。障害が違えば動きの補い方も異なりますが、それを見事に対応して相手の動きを導いていたことに感動しました。
今までフィンガータット(※)メインでバトルに出場していますが、今回興味をもった床での表現に挑戦していきたいと思います。そして、第一線のダンサーと共演していきたい。一人ひとりの個性や表現が掛け合わさり入り混じった、“ミクスチャー”を誘発させた作品に自分も出たいし観たいと思っています。
私いまフィンガータットメインでバトルに出場しているのですが、先日アジアダンスバトルで4位になったんです。その時にバトル相手だったのが、LOVE JUNXの(鎗田)雄大さんで、彼とのバトルがもう本当に楽しくて。もっとやりたいと思っていたら、「True Colors DANCE」のことを友人のダンサーから聞いて、いいチャンスだと思って参加しました。ダンスバトルは、コミュニケーションだと感じています。そこに相手の身体があって、相手から発される表現があって、それを受けて自分が発したいものを表現して……お互いを引き出し合うやりとりが楽しい。これって、ダンスに限らずコミュニケーション何にでもいえることですよね。
※フィンガータット……指を中心に使って形をつくり魅せるダンスのジャンル。