voice
「True Colors JAZZ」はいわゆるジャズフェスとはちょっと違う、それぞれ色んな個性をもった“異才”が一堂に会して「違いなんて関係ない」ということが感じられるステージでした。一人一人の演奏が混ざり合った時に爆発するエネルギーを感じ、お客さんもノリノリで楽しんでいる様子を見たら、最高に幸せだなと感動して舞台上で泣いてしまいました(笑)。
ライブでは、中島みゆきさんの『糸』という曲を歌いました。私は一人でできないことが沢山あって、人は一人では生きていけない、ということをよく感じます。でもだからこそ、人と人との繋がりは生まれるし、その繋がりが人生をより豊かにするということをこの曲から学びました。そんな曲を今回を機に出会ったメンバーと歌えたことも、感動のひとつです。このステージで初めて出会ったミュージシャンの一人、ピアニストの紀平凱成くんには自閉スペクトラム症という個性がありますが、彼の演奏を見て「自分の好きという気持ちをもっと大事にしよう」ということを学びました。彼の、全力で楽しみながら奏でる音楽は本当に素晴らしかった! 私も、障害の有無なんて関係ない、ただ音楽や芸術を楽しめる世界があることを、2020年を越えても伝えていきたいですね。そして、世界がもっともっと違いを楽しむ世界になったら嬉しいです。
私は、障害や病気もあって、自分に自信がないと感じることが多いです。それでも、そんな自分を受け入れられるようになりました。シンガーとしての活動を始めて7年ほど経つのですが、始めた当初から聴いてくださっているお客さんが「私も実は……」とご自身のことを話してくださったんです。その時、私のような人は一人じゃないんだ、と思って。
誰しも、自分は自分でいいのかなって思ったり、自信がない時ってあると思うんですよ。でも、自分がその弱さをさらけ出すことで、仲間に出会えて、私は私のままでいいとやっと思えるようになりました。