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協働作業でつくられる音楽

ギタリスト・ターンテーブル奏者・作曲家・映画音楽家・プロデューサー/ True Colors BEATS出演者

大友良英

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2020年1月22日

※この記事は、『ダイバーシティということばからはじまる無数の広がりを感じた〈True Colors BEATS〉の一日』より一部抜粋して構成しています。

西洋音楽にせよ即興にせよ原理主義的な考え方では、今日のDJの岸野(雄一)さんが今かけているような音楽はすばらしいとは言われないんじゃないかな。でもきっと今日みたいなイベントは、いいと思うんだよ。そしてこの良さはなんなのかといえば、古典的な西洋音楽や即興の良さとは別のもの。例えばアルバムという決まりきった作品形態のなかで物語が完結するのはすごく西洋美学的だと思う。だけど、音楽ってアルバムのなかで完結するだけじゃないよね。感じ触れあうための言語だと思う。

俺はある時期からそっちのほうに興味が移っていって、音楽がコミュニティにいかに機能するか、考えるようになったんです。それは同時に、コミュニティによって音楽が変わることでもある。俺は神戸で「音遊びの会」という障害のある子どもたちと演奏する活動をしています。それを続けているのは彼らから出てくる音が面白いのはもちろん、一緒に演奏することで音楽が変わっていくから。今年(2019年)の〈アンサンブルズ東京〉で取り組んだ「盆踊り」でも、踊りのリズムやテンポひとつとっても、演奏している人たちの協働作業で「いちばんいいのはこれでしょ」っていうのがつくられていくんですよ。音楽家の指示や伝統ではなく、ぼくらの盆踊りのリズムがつくられていく、その営みはなかなかCDにはならないよね。

ダイバーシティということばからはじまる無数の広がりを感じた〈True Colors BEATS〉の一日
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True Colors BEATS

True Colors Festival

歌や音楽、ダンスなど、私たちの身近にあるパフォーミングアーツ。

障害や性、世代、言語、国籍など、個性豊かなアーティストがまぜこぜになると何が起こるのか。

そのどきどきをアーティストも観客もいっしょになって楽しむのが、True Colors Festival(トゥルー・カラーズ・フェスティバル)です。

居心地の良い社会にむけて、まずは楽しむことから始めませんか。

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