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障害をアイデンティティとして活動した先に、性別や国籍や障害は関係ない世界が見えるのでは:ちびもえこ

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2021年11月10日

True Colors FASHION「対話する衣服」に、モデルとして参加したバーレスクダンサーのちびもえこさん。東京2020パラリンピックの開会式では、方翼の飛行機の少女を励ます飛行機役の一人を演じられている姿が印象的でした。ファッションやご自身の活動についてお話を伺いました。

Q: どのようなきっかけでバーレスクダンスを始められたのでしょうか?

もともとはスタイリストを目指していたんですが、将来を迷っているときにダンサーやドラァグクイーンなど様々な方々をキャスティングされているOi-chanと出会って、裏方ではなく自分が表に立つことを勧められました。それをきっかけにバーレスクというものを教えてもらって。実際にやってみて、自分の身体を見てもらうことが自分自身を肯定することにも繋がっている気がしています。

Q: ダンス活動を通して障害(バリア)を感じることはありますか?

バーレスクダンサーとしてステージにいる時は、他の共演者の方々と同じように立っているつもりですし、ステージを見てくださる方には笑顔で楽しんでほしいという気持ちが一番にあります。ただ特殊な身体でもあるので、その身体をさらけ出すことで一部の方には「かわいそう」という感情が生まれてしまうかもしれません。だからコミカルな動きを入れたり、選曲も明るく楽しい気持ちになってもらえるように意識をしていますね。

Q: 「対話する衣服」では、デザイナーのタキカワサリさんとの対話を通してオリジナルな衣装が生まれていきましたね。True Colors FASHIONに参加して感じたこと、考えたことなどあれば教えていただけますか?

一番最初にタキカワさんにお会いした時に、会う前の私の印象を仰ってくれて、そこから何度かお話ししていくうちにタキカワさんの私への印象が少しずつ変わっていったことが面白かったです。最終的に完成した作品は、普段自分では選ばない素材感だったり色味だったので新鮮でした。私の気持ちに寄り添いつつ、タキカワさんが世の中に発信したい想いをデザインしてくれたことも嬉しかったですね。直接お話したのはタキカワさんだけですが、他の方々の撮影風景を少し拝見して、デザイナーの方々はそれぞれに発信したい事がまだまだたくさんあるんだなあと客観的に思いました。「想い」というのは言葉がなくとも作品を通して伝えることができるのだと、改めて肌で感じました。

「対話する衣服」でのフィッティングの様子。ちびもえこさん(画面左)とデザイナーのタキカワサリさん(画面中央)

「対話する衣服」でのフィッティングの様子。ちびもえこさん(画面左)とデザイナーのタキカワサリさん(画面中央)

Q: ちびもえこさんにとってのファッションとはどんなものでしょうか?洋服はどんな風に選んでいらっしゃいますか?

ファッションは、他人との違いをつきつけられるものではありますが、とはいえ自分が障害者だからという意識はあまりありません。胴体は健常者の方とほとんど変わらなくて、一方で手足が短いということが服を着る上での課題なのですが、身に付けるものに関しては、既製品をいかにうまく着られるかという事を意識しています。パンツの裾が長ければ詰めればいいし、今はオーバーサイズで着るのも主流になっていますよね。アウターなど、自分で加工するのが大変なものは慎重に選ぶようにしているくらいで、服装に関して困っていることはあまりありません。洋服を購入するショップも、皆さんとほとんど変わりは無いと思います。

Q: 今後ファッションに関する既製品がさまざまな人々にアクセシブルになっていくに対して、何か期待することはありますか?

そのファッションがかっこよかったりかわいかったりおしゃれだったり、機能性の他に何か惹かれるものがあればとても良いなと思います。そして障害がない方も、デザインでその商品を選ぶようになったら、壁は少しなくなる気がします。

Q: ご自身の活動を通して、世界中の観客に届けたいメッセージがあればお聞かせください。

最近は性別とか、国籍とか、障害の有無とか関係なく、という思考が広まっていてその事自体はとても良いことだと思うし生きやすくなる人も増えると思います。ただ障害者として、当事者として考えると、私はこの障害を持って生まれたからこそできていることも多く、一概に障害は関係ないとは言えません。障害をアイデンティティとして活動した先に性別や国籍や障害は関係ない世界が見えるのではないかと思っています。

なので、目をそらすのではなく私は私のまま、知ってもらうことが1番早いし、できることは全力で挑み、今までできなかったことややったことないものには挑戦していきたいと思います。今回はありがとうございました。

ドキュメンタリー「対話する身体」は、渋谷ファッションウィークの一環として渋谷スクランブルスクエアでも上映された。©2021 SHIBUYA FASHION WEEK

ドキュメンタリー「対話する身体」は、渋谷ファッションウィークの一環として渋谷スクランブルスクエアでも上映された。©2021 SHIBUYA FASHION WEEK

ちびもえこ
1995年、軟骨無形成症として生まれ岩手県で育つ。2014年に上京し専門学校に通った後、2017年、持ち前のお尻とスーパーO脚を生かしてパフォーマーデビュー。様々なイベントやMV、映画に出演。さらに2018年、日本初の小人バーレスクダンサーとしてデビュー。2021年パラリンピック開会式に「小さい飛行機」役として出演。小人シーンを盛り上げるべく活動中。

True Colors FASHION ドキュメンタリー映像 「対話する衣服」 -6組の“当事者”との葛藤-
TRUE COLORS FILM FESTIVAL 2021

True Colors Festival 2020/2021

True Colors Festival(トゥルーカラーズ フェスティバル)は、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭です。誰もが居心地の良い社会の実現につなげる試みです。

世界的な危機により、私たちは身近な人たちと引き離される経験をしています。でも、だからこそ人とつながること、共に楽しむことの大切さを再認識しました。

新たな環境で、アーティストと観客が、どうやって体験を共有し、共に楽しむことができるのか。みなさんと一緒に考えながら、プロジェクトを展開していきます。

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